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パドヴァのとっておき。

1年以上
ヴェネトの冬の野菜、ラディッキオの季節が本格化。ラディッキオは、ヴェネト州でつくられる野菜で、産地によって様々な種類がある。トレヴィーゾ産、カステルフランコ産、ヴェローナ産、キオッジャ産、ゴリツィア産…それぞれに形や色、生産法などが異なるため、地産色の非常に濃い産物だ。

そのなかでも、秀でた代表格が、トレヴィーゾ産の晩生種、タルディーヴォ種だ。

ラディッキオは畑から収穫されてから、一手間ふた手間をかけて出荷されるのが特徴的。収穫後に暗室などに入れて軟白作業が施されて、その野菜独特の甘みや色のコントラストができるものだから。

タルディーヴォ種にかぎっては、その手間がさらに加わり、畑からの収穫→暗室と地下水を利用した軟白作業→出荷、となるのだが、畑からとれる大きな葉からは想像もできないほど、出荷されるものは、小さくなる。手の平より少し大きめで、おまけに紫と白のくっきりとした鮮やかなコントラスト、その形は筆先のよう…

非常に変わった生産方法と、その容姿をもつこの野菜は、この土地の土、気候、そして水があってできる賜物。

生産地はヴェネト州内、トレヴィーゾ県、ヴェネツィア県、パドヴァ県の3県にまたがるが、I.G.P.という、産地呼称のつく、いわゆるブランドものになり得るものは、3県全域というわけではなく、さらに地区が限定されている。

そして、もちろん、苗植えから生産法、出荷の形態にまで細かい基準が定められており、それに該当するもののみがオフィシャルにこのブランドのついたシールを獲得して、売られることになる。
ヴェネト州にいると、冬のこの時期は、スーパー、八百屋、総菜店等々にてラディッキオを見かけないことはまずないくらい日常的なもの。ではあるが、やはりその品質はピンキリで、もちろんそれが価格に正直に反映されてくる。

購入する側としては、使用する目的や、もちろん懐具合によって品質を選んで買うことになるのだが、I.G.P.のマークの入ったものは、姿形にも独特の風格のあるものにて、他から一線を画す、というのは決して大げさな言い方ではない。

…と前置きが非常に長いのだが、この時期になると、該当地域では次々と入れ替わりに収穫祭が開かれる。

毎年、おおよその時期は、各地にて決まっていて、その先陣切るのは、決まってヴェネツィア県の郊外にある街。
次いで、トレヴィーゾの街なかにて行われるものだ。

今年のトレヴィーゾでの祭りは、12月の第1週目。トレヴゥーゾ産…と謳われるように、ラディッッキオの歴史はトレヴィーゾから始まるのだが、この街で開かれるそれは、なんと、今年で108回目を数える。

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街の旧市街地で行われるため、規模としては小さめのものではあるが、ナターレ時期とも重なり、毎年多くの人で会場がごった返すのだ。

ひと昔前は、この祭りがあると、街の中心となるシニョーリ広場は、一面を生のラディッキオで覆われ、圧巻ともいえる光景だったそうだ。
今は、広場に大きなテントをはって、主役となるラディッキオの展示をはじめ、地元の生産者たちの即売会、料理人を招いてのクッキングショー、そして、ラディッキオを使った料理の提供等々が行われている。

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ラディッキオのビールやら、ラディッキオを混ぜ込んだチーズ、お菓子なども振る舞われる。

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ラディッキオはこの街になくてはならない貴重な地元の産物。会場の中心には《冬の花》と称されるそれらが陣取り、まさしく華を添える。

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そして、街のあちこちがラディッキオで飾られ…売り物である野菜がまるで装飾の一部のよう。

人々は、それらを肴に季節を楽しむ、というわけだ。今年も楽しみな本格的な冬の到来だ。

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1年以上
夕暮れのパドヴァの街。街の中心となるラジョーネ宮の脇、ピアッツァ・デッラ・フルッタ(フルッタ広場)に私のだーい好きな場所がある。

移動式屋台で魚介の惣菜を売る店、『ラ・フォルペリア』。名物は茹でたタコ。店名もまさしく『茹でタコ屋』。タコはイタリア語でポルポ(Polpo)というが、ここヴェネトの発音ではフォルポ(Folpo)というのが正しい言い方だから。

夕方になると広場の片隅に赤いひさしの小さなコーナーができて、いつでも人だかりとなる名物・人気店。

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ガラスのケースの中には、エビやイカの揚げ物や、バッカラ・マンテカートなど、いわゆる魚介のヴェネツィア料理がならぶ。そして、その奥に置かれているステンレスの大きな鍋には茹でたてのタコがいっぱい。

注文すると適当に大きさを見計らってタコを見せてくれるので、それを確認したら、店のお兄さんが一口大にブツブツッと切ってくれて、パセリとニンニクのたっぷり入ったサルサ・ヴェルデを上からかけてくれる。

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それを楊枝でつまんで食べる。飲み物は広場にあるバールで調達。ほんのり温かい柔らかいタコとプロセッコ…たまらない組み合わせ。

季節によっては、これも名物、ヴォボレッティ(小さいカタツムリ)やら、マザネッティ(沢ガニ)を茹でたのもある。これも同様、サルサ・ヴェルデでいただくのだが、こちらは手を汚しながらいただくのが、流儀。

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そして、なによりここのお兄さんが、いい。少々、声、甲高し。そしていつも笑顔を絶やさずに…ちょっとおカマちゃんぽい。

タコを食べるのももちろんだが、このお兄ちゃんと話すのがまた楽しみで、小さな店の前にはいつもたくさんの人がいるものの、お兄ちゃんの前に立つ位置を確保するがためもあり、注文はカウンターの正面に陣取る。

夏の暑い夕暮れ時のこの店の風景も、冬の寒い霧の中にボヤリと佇んでいる風景も、どちらも好み。
小さなカウンターを囲んで、皆が思い思いのスタイルで食べるタコ。本当に最高‼︎

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1年以上
2015年を〆るフォルマッジョの鑑定士の会ONF(Organizzazione Nazionale Assaggiatori di Formaggio)のトレヴィーゾ支部の会に参加。昨年から同会の会員になっている。

不定期ではあるけれど、けっこう頻繁にフォルマッジョを題材とした動きがある、なかなかと興味深い会なのです。

今年をしめくくる同会の会合、カステルフランコ・ヴェネトのホテルのレストランにて総勢50名ほどだった。

参加者は同会の会員、フォルマッジョの鑑定士コースの教授陣、会長及び学識者などが集まる。この会ならでは、はやはりフォルマッジョづくしの夕餉。

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テーブルに着席する前のアペリティーヴォから、デザートまで、ヴェネトのものを中心としたフォルマッジョが様々に形を変えて提供される。

まずは、モルラッコ・デル・グラッパ(Molracco del Grappa)。この日のために特別に取り置いておいた品なのだとか。スプーンですくってクラッカーの上にのせていただくスタイルにて、格別に濃厚なモルラッコの風味が口いっぱいに…
なんでも、この会用に数ヶ月も前から仕込んでいたものらしい。リクエストとしては、「当日にスプーンですくえる程よさ」だったとか。

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生産者が食事中に解説してくれたのだが、なんでもこの時期にこの状態に保っておくのは非常に大変で稀なことなのだとか。とろりとした口当たりで適切な風味とは、最高でも4ヶ月熟成まで。5ヶ月を超えたこの日のためには、保存状態に相当に気を使ってこの日に備えたのだという。

こちらはサン・ピエトロ・イン・チェーラ・ダルピ(San Pietro Cera d’Alpi)。ヴェネト北部の生産者のつくる、熟成の進んだもの。18ヶ月熟成。
塩気と甘みと熟成された風味のある旨みの強いフォルマッジョだ。

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テーブルに着き、出されたのは、羊のチーズ。ペコリーノ・ウルビナーテ(Pecorino Urbinate)。70から80%の羊乳と牛乳のミックス。

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マルケ州のフォルマッジョにて、添えられたサラミはチアウスーコロIGP(Ciauscolo I.G.P)。脂が細かく均等に入るこのサラミと見た目よりもすっきりと、バランスのよい風味をしたペコリーノの相性がとても良い。
個人的にはこの日の好みの上位に入るものだった。

そして、ここヴェネト州のほぼ全域でつくられる熟成チーズの代表格、グラーナ・パダーナDOP(Grana Padana D.O.P.)のフェットチーネとフォンティーナDOP(Fontina D.O.P.)のフォンデュ。黒トリュフ添え。

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フォルマッジョ試食のような3種盛り。マッカーニョPAT(Maccagno P.A.T.)、モンテボーレPAT(Montebore P.A.T.)、ピアチェンティーヌ・エンネーゼDOP(Piacentinu Ennese D.O.P.)。

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セコンドにもなり得る、存在感あるそれらには、ここのタイミングで赤ワインが添えられる。

最後は地元トレヴィーゾのカザテッラ・トレヴィジャーナDOP(Casatella Trevigiana D.O.P.)。チーズケーキのような仕立てに、上には柿のゼラチンがのせられていて、これもとても美味しかった。

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とても刺激になる一夜。また来年のONFの活動などの情報も耳にしながら、フォルマッジョ好きとともに、過ごせたことを嬉しく思う夕食会だった。

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1年以上
毎月最終日曜日に開催される、パドヴァ郊外のピアッツォーラ・スル・ブレンタの骨董市。

ここの街を有名にしているのは、町の中心、シンボルである、アンドレア・パッラーディオの手がけた、Villa Contarini(ヴィッラ・コンタリーニ)というヴェネツィア貴族のお屋敷。現在、国立博物館として指定されているそれは、パッラーディオの様式のお手本のような大きなもの。

町の名は、その名も、ブレンタ川に挟まれてできた土地形成により、”ブレンタ川のほとりにできた小さな空き地”的な意味を持つもの。

この町では、月に一回のこのメルカティーノ(アンティーク市)がここ周辺では最大規模にて、850店以上の出店者。

ヴィッラの前の大きな広場(普段は駐車場)とヴィッラを正面にその広場の周囲に半円状にのびる建物のポルティチ(柱廊)、そして、周辺の道路を東西南北、露天で埋め尽くされる。

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置かれているものは、日常道具・雑貨、家具、本、等々。

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ヴェネツィアのガラスを扱う店も少なくはない。

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天気のよい日曜ともなると、かなりの人出となり、月に一度の恒例の賑わいで、別に何か目当てのものがなくとも、1日を十分に過ごすことができるほど。

私のお目当ては、もちろんキッチンまわりの雑貨にて、端から見てまわるものの…

あまり丁寧に見ていると、最後までは到底いきつかない。

こんなのも、あります。

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それにしてもアンティーク品はガラクタとの境目にあって、値段も完全に店主の言い値によるもの。アンティークなのか、単に古いだけなのか…とは、完全に買う側の判断で、値段交渉もお互いの譲れるところを探りあいながら…。値段交渉の基本は、あくまでも明るく明瞭に。お店の人と値段交渉に入るまでに二言三言交わし合い、それから軽く交渉に入る。そして、数点まとめて買うことができれば、なおよし。

冬場は日が暮れるのが早いので、店じまいも早め。明るいうちに余裕をもって行動すべし。寒いしね…

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1年以上
パドヴァの南側に位置するモンセーリチェMonseliceに、13世紀から続く貴族の邸宅をそのまま利用したカンティーナがある。
なだらかな平野が続く地帯だが、エウガネイ丘陵地帯の一部に属する、リスピーダの丘に築かれたこの邸宅は、時代とともに所有者が変わり、1800年代からは現在のオーナーの家系が持ち主となり、カンティーナとして現在まで続く。

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ワイン造りはもとより、現在では、いわゆるカステッロ・ラ・レスピーダ(カステッロ=城)として、結婚式ほか様々なパーティ、イベントや、宿泊施設として整備されている。

さて、カンティーナに話しを戻すと…ぶどうの畑としては、30.000ヘクタールを所有。

建物の上部は利用目的のために内部を改造(とはいっても、あくまでも元の形を生かしてだが)しているのに反して、昔からのそのままの地下部分を保つ。というのも、年間を通して自然の温度と湿度を保つ地下部カンティーナは、その自然の力をフルに利用して造られるワインにこだわるがため。

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地下に入ると独特の湿度とぶどうの発酵臭が。カンティーナ内部を覆う壁は長い年月をかけてできあがってきたカビによるシミ等々。なんでも、ここは保健所の検査に大いにひっかかる対象であり、内部改造をしない限りはカンティーナとしての存続はない、というお達しのくだるものだったらしい。が、いろいろな人の手を利用して、そのまま現存維持が果たされたのだとか。

地下に掘られたその壁がむき出しになっているからこそ、ワイン醸造に適する環境が保たれるのであるから、その時はカンティーナ存続の危機にも値するともであったという。

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ここは、いわゆる自然派ワインとして非常に注目の集まるワイン群の醸造所。つくるぶどうの品種は地元種かと思いきや、フリウリのリヴォッラやトスカーナのサンジョベーゼ等々なのだとか。つくられるワインは2種の白ワインと2種の赤ワイン。

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この種のワインのひとつの製法ともいえるテラコッタで作られたアンフォラ(壺)をカンティーナの土に直接埋めて、そこでワインを熟成していく。

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訪れたときはちょうどこのアンフォラのなかで皮ごとの発酵が行われている最中。
薄暗い湿った空気のなかでゆっくりゆっくりと時間がこのワイン造りを担っている、という感じ。
奥にはデグスタツィオーネのできるBarがあり、そこには大きなアンフォラが飾ってある。同製法で有名なフリウリのG氏から譲り受けたものらしい。

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パドヴァのこんな近くで、この自然派ワインを造っているのはつい最近まで知らずにいたが、日本にももう何年も前からお目見えしている、とのこと。

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Castello di Lispida
Via IV Novembre, 4, 35043 Monselice PD
Tel: 0429780530



パドヴァのとっておき。

作者:akishirahama

パドヴァのとっておき。

ヴェネト州パドヴァより、食情報を中心に日々のできごとなどを綴っています。
現地シェフとの料理教室、ヴェネトの知られざるスポットなどへのお伴なども。

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