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パドヴァのとっておき。

299日前
またこの季節が巡ってきた。
農産物の品質表示としてヨーロッパ基準となる、生産地呼称の最高値であるD.O.P.を冠することのできる野菜というのは、イタリア国内でもそう多くはないのだが、アスパラのなかでは唯一それを冠しているのが、バッサーノ産白アスパラだ。

収穫時期は3月19日のサン・ジュセッペの日から6月13日のサンタントニオの日まで、という規定がある。もちろんその時期を外しても収穫・出荷はできるのだが、D.O.P.マークの規定はそう決められている。

毎年この時期になるとバッサーノ界隈によく出向くことになる。今年から、生産組合のリーダーとなったパオロさんと知り合うこととなり、彼の畑に足を何度か運んでいる。いつもだと、組合のリーダーはそれなりの年齢をされたおじさんが多いのだが、今回のリーダーは若い。いろいろと新たな取り組みを企画しているらしく、とても頼もしい感じだ。

畑の収穫は朝早い。なぜなら、太陽の光を浴びてしまうと、白いアスパラに色がついてしまうから。畑の畝には、一本ずつに黒いビニールシートが被せられており、収穫の度にシートをはずし、地表に頭を出したアスパラを掘り起こし、またシートをかぶせる。この作業が春先の3ヶ月間毎朝続く。

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アスパラは地中にて、温度を感じて成長する。暖かい時期ともなると、1日に15cmも伸びるのだそうだ。

収穫したものは、作業場に移されて太さなどを選別し、綺麗に掃除される。

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そうじされたものは、1kg用の筒にきれい並べて、柳の若い芽で縛る。イタリア語ではサーリチェというが、ヴェネト弁ではストロッパと呼ばれ、こちらのほうが通常語。

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そして長さを22cmに切り、一束が完成。

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この後、集積所に持ち込まれ、重さ、見た目の美しさなどの検査を受けてタグがつけられ市場に出回る。

この地でこのホワイトアスパラを有名にしているのは、この土地ならではの土壌から育まれたもの。この地域は、北部に位置するドロミーティを背景としたアルト・アディジェ州より流れこむ清流、ブレンタ川の恵みを受けた土地。ミネラル分を多く含み、川岸の土砂などの多い水はけのよい砂利地、そして山から吹き込む湿度を溜め込まない風通しのよさ、などの自然的な環境が影響している。まさしく自然の優位性を背景に、白アスパラ生産の最適地として存在するもの。

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もうしばらくは楽しめる代物。春先のヴェネトの味覚の代表選手。

302日前
毎年この時期に開催される、ヴェネトのチーズほか、イタリア各地のチーズを主役としたイベントが開かれる。今年は7回目。毎年会場を点々としている感あり、今年はヴェネツィア県のサンタ・マリア・ディ・サーラ(Santa Maria di Sala)の、17世紀のヴェネツィア貴族の建物。ヴィッラ・ファルセッティ(Villa Farsetti)を会場とした。

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会期は4月22日から25日までの4日間。イタリア各地のチーズの生産者たちがずらりと並ぶ。端から味見なんてしていると、もうお腹がいっぱいになってしまうので、気をつけながらじっくりと観察。ピン、ときたものは即試食し、気に入ったら即購入。単純にとっても楽しい。

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なかで、チーズのラボラトーリオ。アジアーゴとグラーナ・パダーナに関しての講習会も。

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カステルマーニョ。

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カプラ(ヤギ)のチーズの3年熟成もの。これは非常に特殊。トリュフのようにしてパスタの上に削って使ったりもする。

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ワインの試飲、サラミの試飲、そして最近超流行りのクラフトビールの出展多数。

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楽しいんだけど…ほぼここ数年、このイベントに参加しているが、今年はちょっとイマイチだったかなー。
理由は、入場料無料はいいのだが、内部の試食…いや、試飲がほぼ全て有料。人の流れを考えていない構造に非常に歩きずらい…

いや、ただ単に、もっといろいろ試して飲みたかったのに、それができなかっただけで、少し欲求不満…なだけなわけじゃない。

いやいや、これだけのフォルマッジョを一同に味わえる、なかなか面白い企画。チーズの会仲間たちと散策する充実の休日だった。


323日前
先日訪れたプロセッコの生産者、グレゴレット。

1600年から続く家族経営のカンティーナ。グレゴレット家全ての関係者がこのカンティーナを支えている、古くて温かく、そして非常に質のよいワインをつくる。

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訪問時にも顔を出してくださった、90歳のルイジ・グレゴレット氏は、2016年にFIVI (Federazione Italiana Vignaioli indipendenti) の”今年の優秀ブドウ栽培者 (Vignaiolo dell’anno) ”に選ばれた人物でもあり、現役。

生産するワインは、フリッツァンテ、スプマンテ、白、赤、と計14種あるが、この日にはプロセッコと白はマンゾーニ・ビアンコ(Manzoni Bianco)、ヴェルディーノ (Verdino) などを試させてもらう。

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プロセッコの売れ筋である、エクストラ・ドライもよかったが、気に入ったのは、酵母を瓶の中で一緒にしておくスル・リエ(Sur lie)のもの。香りがまろやかで気泡も細かく、柔らかな味わいがある。

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試飲時には、地元のサラミやら奥様が用意してくださったお手製の焼き菓子やらが用意されていて、なんだか楽しい…

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ここら辺の土地は、丘陵地の続く場所。プロセッコの産地として知られるコネリアーノ(Conegliano)、ヴァルドッビアーデネ(Valdobbiadene)、ヴィットーリオ・ヴェネト(Vittorio Veneto)を結ぶ三角地帯のほぼ中央にこのカンティーナは位置する。

彼らの畑に連れて行ってもらった。ちょうど若芽が出始めた時期。日当たりよく風通しのよい斜面にブドウの樹が整然と並ぶ。

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となんだか時間の経過を忘れてしまいそうな、穏やかな自然空間だ。

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CANTINE GREGOLETTO
31050 Premaor di Miane (TV) – Italia
Tel.: +39 0438 970463
www.gregoletto.com


324日前
今やヴェネト州の代表的なワインとなったプロセッコ。爽やかな白の発砲酒で、飲みやすく、また手頃な価格帯でものすごい急成長を遂げていることもあり、生産量も販売量も右上がりの売れ筋商品に成長した。

このワインの産地はヴァルドッビアーデネという、トレヴィーゾ県の北部の丘陵地。この地区は私も個人的に大好きな地域で年間を通して少しドライブに…というときに最高な場所でもある。何より、大好きなプロセッコのカンティーナが点在していることもあり…

この地区でもプロセッコ生産の中枢となる地区に、隠れ家的にあるのが、主人のいないオステリアとして、今や隠れ家ではなくなってしまった場所。

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一番最初に訪れたのは、もう5年以上も前だろうか。今よりもまだ知られていなくて、どうやってたどり着いたらいいのか、実は実在したHPに連絡をとってみたりしていた。主人はいない、とはいえ、HPの連絡先にメールを出したらすぐに返事がきて、行き方やらを丁寧に説明してくれていた。

ここのオステリアの特徴は、何度も繰り返すように、主人のいないこと。客は自分でワインを購入し、店内にあるチーズやサラミ、パンなどを自分たちで切り、食べて、片付けて帰る仕組み。

以前は店内に賽銭箱のような箱があって申告制でお金をおいていったことでそれらしさがあったのだが、数年前に営業的違反として罰金を支払うこととなり、話題にもなった。今は店内のコンピューターで支払いをして、レシートが出る仕組み。なんだかちょっと残念な感じ。

初めて訪れた際、なんと冷蔵庫にオーナーが、私を歓迎してくれたプロセッコの瓶を置いておいてくれた思い出がある。個人的には、ここ数年、来客も増えてなんとなく粗雑感があり、ここで飲食をする気分になれないので、ここから見える景色を楽しむためだけに訪れるようになってしまった。

とはいえ、ここから見える景色とは、プロセッコの里でも最も有名な場所、カルティッツェを一望できる場所なのだ。

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カルティッツェとは、最も価値のあるプロセッコをつくるぶどう畑の一角。写真で見るように、丘陵地が連なり、とにかく日当たりがよく、風通しがよいことから、健康的なよいぶどうが育つ。100haほどの土地にそれと同じくらいの畑の所有者がいる。ここで収穫されるぶどうからつくるプロセッコは”カルティッツェ”を名乗ることで、価値がグンとあがるから。

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この時期、剪定を終えたぶどうの樹には、若芽が育ち始めている。春の息吹を感じる時期。

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さて、オステリアに話しを戻すと、ここ数年、ここで提供されるプロセッコは、店内のオンボロ冷蔵庫から取り出すのではなく、オステリアから少し登った先にある自動販売機から購入するシステムに変わった。

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そして、その上に少しだけできた広場にて、ピクニック気分でプロセッコを味わうこともできる。週末のここは、若者の団欒の場と化していた…

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とにかく、天気のよい日には最高の産地天望地。

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327日前
パドヴァの飲食店のなかで私の超お気に入りの一店。

特徴は、ボッリートと呼ばれる、肉のいろいろな種類と部位を茹でたものがカレッロ(ワゴン)で運ばれるスタイルをとっている。

店の歴史は1949年。オステリアとして生まれたのだが、現在では、このカレッロで運ばれるボッリートがこの店の看板となっている。訪れる100%の客は、この肉を目当てにやって来る。

テーブルに着くと、まず初めに運ばれてくるのが、このバター。これも名物。このバターをパンにつけて次の行動を待つ。

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同店の目玉は、手打ちの卵入りパスタでもある。

後に続く肉のことを考えて、半人前をお願いする。パスタは茹で上げたものが皿に盛られ、その横に各種ソースが運ばれてくる。

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内容は、トマトソース、セージ&バター、ピゼッリ(グリンピース)、きのこ、肉の煮込みソース。これらを各自が好みでかけていただく。このスタイルもなかなかよい。

しばらくすると、付け合せの野菜を積んだカレッロが。季節の野菜を好きな分だけ盛り分けてくれる。このほかに、生野菜のカレッロもあり。

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そして、続くは主役の茹で肉。牛、豚、ガッリーナ(雌鶏)の肉、ホホ肉、下、スネ肉、頭、コテッキーノ…と並ぶなかからこれも好みの部位をチョイスし、切り分けてもらう。なかなかのボリュームなので、あまり欲張ると後が大変なのだが、ついつい頼みすぎてしまうのが…

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茹で肉は塩味だけがついているので、ここにつけるソースはまた別添。ホースラディッシュ、サルサ・ヴェルデ、そしてモスタルダ。

肉はボッリートまたは、ローストを選択可。

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その後はデザートのカレッロもくるが…

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この、いつも変わらぬシンプルスタイルはパドヴァ人の好みでもあり、定番料理だけなのに、いつもお客さんでいっぱい。週末はほぼ満席状態だ。

店内のクラッシック・エレガントな雰囲気も非常によく、店員さんたちのプロ加減も心地よい、とっておき空間。

パドヴァのとっておき。

作者:akishirahama

パドヴァのとっておき。

ヴェネト州パドヴァより、食情報を中心に日々のできごとなどを綴っています。
現地シェフとの料理教室、ヴェネトの知られざるスポットなどへのお伴なども。

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